円福友の会~世界なかよしのボランティア~

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2015年7月

エコ村ナチュラル小学校からの便り 『教え合い学び合うコミュニティ学校農園(Community School Farm)』の準備

一昨年(2013年)の11月に訪れた円福友の会エコ村支援ツアーは小学校に深井戸を寄贈し、昨年(2014年)の11月に訪問した第2回ツアーでは児童達と共に箸ピー大会、黒板寄贈、そして富沢さん寄贈のマンゴーの木を植樹しました。井戸は先生と児童のみならず近隣の住民家族にも頻繁に使われ、水の威力を十二分に発揮しています。マンゴ―はすくすくと成長して、何本かには実がなり始めました。そして今年の5月~6月には、友の会会員諸氏の浄財によって、学校周辺の貧しくても懸命に農業に取り組む家族7軒に深井戸が設置されました。

これらの農家のほとんどの夫婦はポルポト時代とそれ以降の内戦時代に育ったために初等教育を受ける機会を失い読み書き計算が出来ません。また、ポルポト時代に横行した隣人・家族間の密告による虐殺の記憶は住民同士の相互扶助を深刻に妨げています。加えて、住民は国内各地からバラバラに入植してきたために生活習慣も微妙に異なることが多く、これらが住民間の信頼醸成を妨げています。隣人同士が信頼をベースとして相互に助け合うという村落共同体の基盤が少なからず欠落しているのが現在のエコ村なのです。

このような状況の下での農業技術の普及はとりわけ困難が伴います。そこで、円福友の会では小学校に先生、児童、父兄、地元の篤農家を巻き込んで村人皆で『教え合い学び合う学校農園(community School Farm)』を支援する計画でソファットさんを現地に派遣して校長先生や村のリーダーと良く話し合っています。幸いの篤農家で、2011年にカンボジアNGOとプレアビヒア日本協会の支援の下で顕著な成果を出しているドイ・ソックさんとマオさんが協力を惜しまず講師になってくれるそうです。今は先ず児童とその両親たちが生徒となり、農民と児童が一緒になっての一日学習会(Farmers Day)を開催するべく準備を始めています。

学校の先生方や有望な農民にも外部NGOが主宰する農業研修に参加して学校農園の講師(指導者)になってもらう予定です。また豊島区千早区民広場が有機農業普及の為の児童向け紙芝居を準備中です。このか網芝居はシエムリエプ在住の松岡秀司氏が勤務するパニャサストラ大学の学生自治会有志の協力で翻訳し、エコ村で実演される予定もあります。このように外部の支援をうけながら、エコ村の地元の篤農家と小学校の先生方が主体的に教え合い、高学年児童と農民父兄達が学び合う“コミュニティ学校農園”が今年10月に第3回円福エコ村支援ツアー訪問に合わせて開園される予定です。このように住民自身が主体的に農業技術の普及を通して収入が増える活動に住民が参加することで、結果的に住民同志が学校を通してお互いを知り合い、相互扶助を旨とする共同体意識が醸成されることを期待しています。このように、小学校が次第に村の共同体としての活動の場になりつつあります。いわば小学校がコミュニティセンターとしての機能を持ちつつあります。

小学校が多目的コミュニティ集会所となるためにも先生・児童がこぞって望むトイレの設置は不可欠で、とても最優度が高いものです。村の老若男女が闊達に集えるためにも、どうしても清潔なトイレが必要になってきました。エコ村支援のみを目的として頂いたご寄付では不十分でしたが、円福友の会の皆様方のご寄付を基に藤本住職の御英断によりレンガ造りの2部屋式トイレを建設することになりました。サロン校長先生と協議尾上で早速8月から建設に取り掛かる予定です。10月に円福ツアーがエコ村小学校を訪問する頃にはきっと完成していると思います。とても楽しみです。

井戸の設置状況や住民の活動をモニターするべくファットさんは7月4日~5日にナチュラル小学校を訪問して先生、児童達、住民と話し合い、彼らが自主的にトイレの設置場所選定や農園の整地作業など皆で力を併せて始めている写真を送ってくれましたので以下に紹介します。

ナチュラル小学校全景(2015年7月)
ナチュラル小学校全景(2015年7月)
円福友の会設置の井戸
円福友の会設置の井戸
近所の家族も沐浴
近所の家族も沐浴
家族そろって洗濯と水浴び
家族そろって洗濯と水浴び
漏斗に給水
漏斗に給水
昨年富沢さん植樹のマンゴーの木
昨年富沢さん植樹のマンゴーの木
マンゴーの木に水をやる児童達
マンゴーの木に水をやる児童達
学校農園予定地を除草する先生と児童
学校農園予定地を除草する先生と児童
話し合いながら整地
話し合いながら整地

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